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プライム経済リポート



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プライム経済レポート 3月号 「米国住宅ローン借り換え状況について」


米国住宅ローン、いわゆるモーゲージは一般的な30年固定利子型で年率5%を切る低水準になっている。しかし過去2から3年において担保となる住宅価格値下がりや銀行の融資基準強化によりローンの借り換え(リファイナンス)は一向に活発化していない。 クレジットスイス銀行の調査によれば30年固定利子型ローンで融資額が$417,000以下のローン全体のうち37%が6%以上の金利となっており、リファイナンスすれば融資諸費用を入れてもメリットがあるといわれる。

米国においてリファイナンスで安くなった支払い分が消費に回るためその経済効果は大きい。ファーストアメリカンコアロジックによると、2009年にリファイナンスにより消費者は34億ドルの節約をしており、今後5年間では172億ドルの余剰金が出るため、その大半が消費に回るものと予測している。

しかし現在住宅ローン保持者の約4分の1がアンダーウォーター、いわゆる物件価格よりローン残高が高い状態にあると言われる。この人たちはリファイナンスの対象から外れてしまう。オバマ政権で救済策を講じようとしているが、実際には少しでも焦げ付きリスクを減らしたい銀行が貸し渋っている。 またリファイナンスにかかる費用も上がり気味である。ファニメやフレディーマックで債権化して売却できるローンの場合最低でも融資額の1%が手数料となっており、信用状況が少しでも完璧でない場合さらに手数料が高くなる。両政府機関とも安定したモーゲージを低い金利で消費者に供給するのがその目的であるが、自らのリスクを減らすために融資基準を難しくし高い諸費用を課するという矛盾したビジネスモデルが非難の対象となっている。

リファイナンスの融資総額をみると、最近で最高だったのは2003年で2兆9000億ドルであったが、2009年はそれには到底及ばない1兆2000億ドルにとどまっている。また実際にリファイナンスができた人がさほどリファイナンスを必要とする人ではないことも問題である。昨年ファニメ、フレッディーマックでリファイナンスした人は420万人で年間平均支払額にして約$2600ドルを節約しているが、ほとんどは信用状況がトップクラスの消費者でリファイナンスの波がそのピラミッドの中間層から下層部には達しておらず、せっかくの低金利が利用されていないことが判明している。

また審査基準では毎月の支払額の最低3倍の収入が最低条件となっており、以前一般的だった信用状況が良ければ収入審査は自己申告という楽な融資プログラムは存在しなくなった。鑑定も一段と厳しくなり、鑑定士の資格を厳しくする、鑑定結果をレンダーが見るまで公表しない、事情がはっきりしない場合再鑑定を行うなど2重3重のセーフガードがとられている。

日本に比べて貯蓄率が低い米国世帯にとってマイホームのエクイティー(純資産価値)こそが有事の備えであり、老後の貯蓄代わりでもある。エクイティーを使ってリファイナンス、ホームエクイティーラインやローンと呼ばれる第2抵当ローンを設定する、リバースモーゲージで老後の年金の足しにすると言ったさまざまなオプションがあり、これが世帯にとって必要時のクッションともなっている。 その点で現在のアンダーウォーターという事態は深刻である。米国では日本ほどローンを完済するという意識がないため常にエクイティー、すなわちマイホームの価値?ローン残高が世帯にとって家を所有する意味となっている。アンダーウォーターの世帯にとってこの状態が長く続くとすれば、家を所有する意味が薄れていくことになる。また家のローン支払いを滞納すると以前なら3,4ヶ月で家を追い出され競売にかけられて所有権が代わったが、多数の焦げ付きを抱えるレンダーにとって競売物件ばかり増えても周囲の物件価格が下落するばかりなので、支払い滞納に陥ったオーナーをそのまま1,2年無料で住まわせているケースが増えている。レンダーにとって空き家で家がいたむことや、家にギャングや不法滞在者が住むといった心配よりまだオーナーにただで住まわせた方が良いという判断もあるようだ。
オーナーにとって支払い滞納のあげく家を追い出されても、多くの州では家をあきらめるだけで他の資産に負債責任を追わされることがないためその代償は7,9年ほど信用状況に傷がつくが、新規ローンやクレジットカードが取れなくなる程度で比較的少なくて済む。既存のローンやクレジットカードの支払いをしっかりすれば被害がそれ以上に及ぶことはない。また家を新たに賃貸するときに信用状況が悪いが、現在賃貸市場も借手市場であるため少し敷金を高くオファーするなどして入居することが可能である。
この問題は問いつめると支払いをちゃんと行っている正直者が損をするというフェアネスに関わる議論にも発展しかねない。銀行のガイドライン、あるいは政府の法的規制により何らかの対策をとらないと今後もエスカレートする可能性があり、結果として銀行にとって更なる損失、政府にとって更なる財政支出、世帯にとって更なる住宅価格の低迷、そして経済全体への悪影響は計り知れない。


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