リアルタードットコム(www.realtor.com)は同サイトにあるエージェントプロフィールを大幅に改良することになった。まず2地域にてテスト市場を行い、結果を見て全米規模の導入となる。
今回の改良点は以下のとおり。
• エージェントのレーティングやレビューにフィルターをつけない。
ライバルのZillowと違って実際にエージェントと取引をした顧客のみがレーティングやレビューの書き込みができる。エージェントは気に入らなければレーティングやレビューを消すことができるが、一部だけを消すことはできない。すなわちすべて載せるかすべて消すかという選択となる。
• MLSから来るエージェントの取引データのアップ
データソースはMLSのみ。これによりエージェントの売り上げ成績が詳細にわかるようになった。新米エージェントは取引データがないため不利であるが、友達や周りの人たちからお勧めをリクエストすることやフェースブックや他のSNSにリンクしてプロフィールにすることができる。
• 新たな検索ツール
売り手・買い手エージェントを顔写真で紹介するマップベースのインターフェースにより、エージェントの地域における活動がすぐに分かる。これまでエージェントを検索する場合、対象地域、対応言語、認定・認証からエージェントを検索するくらいであった。新たな検索ツールではエージェントを売り上げ額、取り扱い物件数、レーティング、取り扱い物件価格帯、お勧めでフィルター検索することができる。
赤い印は売り出し中、黒い印は売却済みで一物件に二人の顔写真が載っていれば
一人は売り手エージェント、もう一人は買い手エージェントを紹介している。
今回の改良はライバルのZillowやTruliaを意識したもので、少しでもユーザーの興味を引くための手段といえる。
Find-a-Realtor(エージェント探し)ツールで検索する場合、対象はNAR(全米不動産協会)メンバーのみとなっている。同協会に属さないメンバーは同検索ツールには出てこない。ただしNARメンバーでなくてもMLSメンバーになれる地域もあり、その場合はNAR以外のエージェントも対象となる。
同サイトではリアルター(NARメンバー)こそがエージェントのプロフェッショナルブランドであり、消費者に安心感を与えるものであると説明している。その点で同サイトはエージェントをプロモートする立場を貫いており、あくまで消費者を中心にサイト運営するZillowと一線を画している。事実2014年米国居住物件の全取引のうち90%がリアルターによるものとなっている。
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