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クレジットカードの開始日、残高と支払い状況、自動車など各種ローンの開始日、返済終了日、残高と支払い状況、モーゲージ残高と支払い状況、債権者からの未払い報告、過去の破産申告や裁判所からの判決、犯罪歴などまでが克明に記録されている。名前、生年月日から就職先や過去の住所や現住所なども記載されているが、収入などはレポートに含まれない。すべてのクレジットレポートはソーシャルセキュリティー番号と呼ばれる9桁の国民総背番号によって本人確認が行なわれる。 ちなみに上記スコアにおいてDでは車や家電のローンも含めてまずどんな融資も不可能である。またCやBの場合、融資が受けられても金利や手数料がスコアに反比例して高くなる。もっとも借り手にとって条件の良い大手銀行のモーゲージは金融市場の悪化により、現在A以上でないと難しくなっている。 クレジットレポートはあくまで本人の承諾が得られてからでないと入手できないようになっている。 偏差値を上げる方法として、ローンやクレジットカードなどの信用を築いていること、毎月の支払いが遅れずに支払われていること(支払い遅れも30日まで、30−60日、90日以上の3種類があり、長くなるほど減点される)、毎月の支払いに対して不釣合いに高い残高がないこと、最近破産宣告や不利な判決が記録されていないことなどが上げられる。 たとえば日本から米国に着たばかりだと、まずソーシャルセキュリティー番号がないためレポートを入手することは不可能であるが、たとえソーシャルセキュリティー番号を入手できてもローンとかクレジットカードなどで支払い状況が確認されないと偏差値は上がらない。したがってすべてをキャッシュベースで支払い借金をしない人は、なかなかスコアが上がらないため融資を受けにくいことになる。 逆に悪い記録はしばらく残ることになる。破産宣言は7−10年、不動産差し押さえは7−10年、税金負債は最長15年、公的記録は最長7年、支払い遅れは最長7−10年記録として残るためスコアが下がる。 融資を受ける場合、レンダーはこのクレジットレポートをもとに借り手の収入や資産を加味して審査している。 ここまでの話だけだと、レンダーはクレジットレポートから十分借りての支払い状況や負債の大きさ、経済状況などかなりの情報を入手して、借り手のリスク要因を判断する材料の多くを得られたはずである。 ところがクレジットレポートにも裏道が存在する。費用を取って悪いクレジットを修復する業者(Credit Mender)も多く存在する。たとえば最近破産宣告した人でも、Secure Creditと呼ばれるクレジットカードを作ることでスコアを上げることが出来る。Secure Creditはクレジットカードの上限限度額と同額かそれ以上の預金をすれば、利用できるクレジットカードで性格としてはデビットカードに近いが、これを利用して毎月きっちり支払いをすればスコアの悪い人でも簡単にクレジットカードを入手してスコアを上げることが出来る。現在のクレジットレポートには通常のカードかSecure Creditかを区別する方法はない。 また業者に頼んでクレジットレポートを取る一時期だけクレジットカードの残高を完済して、良いスコアが出た後で再び借りるといったやり方も存在する。 また破産宣告にも種類があり、家のモーゲージなどはそのまま支払いながらクレジットカードや他のローンなどを債権者と協議の上負債を減額してもらった場合、クレジットスコアの回復は比較的早くなる。 米国においてはセカンドチャンスややり直しが与えられているのである。逆に言えばこのことが安易な破産の濫用につながっている。 サブプライムローンや多くの消費者ローン焦げ付きの裏には、所得証明を必要としないプログラムなどレンダーの曖昧で不注意な融資基準が原因としてあげられるが、クレジットレポートの悪用、濫用も手伝っている。 クレジットスコアは多くの消費者の経済活動をサンプリングして複雑なアルゴリズムから生まれたものである。最近大手3社が始めたVantageと呼ばれるシステムを代表として、従来のFICOシステムを見直す動きが出ているが、どれだけ抜本的な改革につながるかは不明である。 |
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