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プライム経済リポート



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プライム経済レポート 7月号「米国住宅市場」


米国住宅市場の回復が景気低迷脱却の鍵を握っているといわれる。メディアでは住宅売買件数が増え底を脱したかのような報道も一部で聞かれるが、まだ確かではない。 オバマ大統領は2750億ドルに及ぶ予算を組んで、居住者で住宅ローン支払いに困っている人を救済する措置を行なっているが、実際に救済される人の数はあまりに少なくそのプロセスは困難を極め、その実効性は疑問視される。

まず居住者だけが住宅市場を支えていたのではない。大半の住宅ローンをしていたのは投資家である。確かにオバマ大統領にとって投資家は私欲だけにかられて多額の借金を抱えフリップ(短期売却で利益を得ること)しようとした犯罪者にたとえられている。また投資家にローンした銀行やモーゲージ企業も住宅市場を大きくゆがめてしまった元凶という存在である。

銀行やモーゲージ企業は現在も毎月のように融資基準を厳しくしている。これまで収入がしっかり申告されていない自営業者や、日本から来た人のように信用が浅い借り手に対して行なわれていたSTATED INCOME PROGRAMと呼ばれレンダーが借り手に収入証明を要求しない融資プログラムはこの2−3ヶ月でどこにも見られなくなった。いわゆるFULL DOCUMENTATIONと呼ばれる借り手の資産、収入、信用、負債のすべてを確認する融資プログラムが主流となった。1−2年前まで存在した外国人に対する融資プログラムはその存在すら確認できない。
またレンダーにとってローン焦げ付きを防ぐ最後の砦ともいえる担保価値の保全は融資比率の低減と鑑定基準の強化によって実現している。これまでノーダウン(頭金なし)というローンまで存在したが、現在大手銀行のローンのほとんどは20%の頭金を条件としている。5%の頭金で済むというFHAなどのローンも存在するが、その審査の厳しさや高い手数料や利率を考えるとまず万人向きのローンではないと見るのが妥当である。 またアプレーザル(鑑定)はHVCC (Home Valuation Code of Conduct)に準拠した鑑定士管理企業が推薦する鑑定士によるサービスだけが、レンダーで利用することを認められるため、以前のように借り手やエージェントの評価に関する意見が鑑定価値に反映されることはまずなくなったといえる。

なかでも厳しいのは非居住者用の住宅ローンである。これは二次市場でもほとんど売買されないローンと位置づけられ、商業ローンと同様扱うレンダーがごく小数に限られる。投資家も長期で見ると住宅市場を大きく下支えしており、単に私欲に駆られた無責任な金の亡者ばかりでなく、慎重で長期的投資プランを誇りにしている投資家が市場の多くをサポートしているのである。こういった投資家にほとんどキャッシュ支払い以外有り余る在庫物件を購入するオプションが与えられていない状況は市場を必要以上に抑制することになる。

全米で現在210万戸に及ぶ空家が売りに出されている。これだけの在庫が市場にたまっている限り事態の好転はすぐに望めそうにない。しかしこれまで50年の歴史を見ると住宅市場が常に景気回復のエンジン役を果たしており、市場の回復は単に不動産業者や建築業者を喜ばせるためだけのものでないことは明白である。
PMIモーゲージ保険グループチーフエコノミストデビットバーソン氏によれば、これまであった景気後退7回を見ると住宅市場の回復が必ず景気全体の回復より前ぶれ的に早く訪れているという。景気回復の平均7ヶ月前に住宅着工件数が増加し、4ヶ月前に住宅売買数が増加している。
住宅購入で消費する費用、たとえば購入時諸費用、家具、白物家電、工具、ガーデニング用品、キッチン用品などそのすべてが消費経済にとって大きな貢献をしている。

今年5月の中古住宅売買件数は対前年同時期比で2.4%伸びたが、これは予想を下回る伸びであった。価格は対前年同時期比で16.8%ダウンしている。データを発表した全米不動産協会によると、住宅市場はまだ底を脱したとは言いがたく、おそらく2010年半ばくらいになるのではと予測している。

5月の住宅着工件数は53万2000件と前月の45万4000件を上回ったが、このレベルは1945以来の低レベルである。また売り物件は380万戸に達し、現在の売りペースだと売りつくすのに9.6ヶ月要する。ちなみに2000−2005年の時期を見ると平均在庫償却期間が4.5ヶ月であった。
5月までの他の経済指標を見ると、失業率9.6%、倒産件数は昨年5月に比べ37%増、クレジットカード滞納率は7.79%、モーゲージにおける住宅競売比率1.37%(過去最高)、住宅ローン滞納率9.12%(過去最高)といずれも過去最高が続いている。

また不動産データサービスのzillow.com社によると米国9300万戸に及ぶ戸建、マンションを含む住宅のうち2040万戸において物件評価額が融資額を下回るいわゆるUNDER WATER(水面下)の状態にあるという。

今回の景気回復がこれまでの7回と同様住宅市場回復が引き金となるのか分からない。これほど政府が景気回復、特に住宅市場回復に予算を使っててこ入れする前例はなかった。

すなわち市場原理が機能する前に政府の景気刺激策が引き金となって住宅市場が回復するパターンとなるはずである。しかし銀行が融資の門戸を半分閉ざしている状況を見る限り、政府救済策の効果はまだ見られない。
2−3年前のあまりにルーズで野放しの融資制度に代わって、現在の融資制度は全くその逆で異常なまでの慎重さといわざるを得ない。その両者とも正常な経済成長には不適正である。


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